「投資詐欺」の典型的なパターンについての解説。

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TKO木本氏の投資詐欺の件を参考に、「投資詐欺」のパターンを交えて考察しています。

こんなテーマの内容です。


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年に数件は、ニュースにもなる
 投資詐欺の事件
があります。

投資詐欺に関しては、TKO木本氏の投資詐欺に関する事件が記憶に新しいところです。
TKO木本氏の事件の場合、比較的、好感度の高い芸人さんであるTKOの木本氏が、
 芸人仲間から投資話を持ちかけていた
という点と、
 その金額が、5億円以上と巨額
という点で、過去の投資事件にはない、特殊性をもった事件でした。

この件を参考に、
 「投資詐欺」の典型的なパターン
について、考えてみたいと思います。

事件の概要を、スポーツニッポンの記事から転用すると、下記のような内容となっています。

TKO木本 詐欺、横領罪の可能性 弁護士見解 自身がだまされていた場合も損害賠償責任生じることも 
 
本紙報道で巨額投資トラブルが明らかになったお笑いコンビ「TKO」の木本武宏(51)が、所属事務所「松竹芸能」を退社する方向であることが21日、分かった。テレビ、ラジオ各局が出演番組の打ち切りや降板を次々に発表するなど影響が広がっており、木本をよく知る知人は「けじめとして事務所を辞めざるを得ない」と話している。

 木本がMCを務める関西ローカル「週末ライブ キモイリ!」を放送するKBS京都はこの日「23日の放送をもって番組を終了する」と発表。改編期ではない7月下旬に番組が終了することは異例。同局は「複合的な理由」と説明し、急きょの決定だったことを認めた。木本は同番組を16日まで2週連続で欠席していた。

 さらに、レギュラー出演するMBSラジオ(大阪市)の「エビ中☆なんやねん」の降板も決定。同局は木本が22、29日の放送を欠席するとした上で、8月以降の出演については「事務所と相談して決定する」としているが、関係者は「既に降板が決まっている」と話した。MCを務めるBS11の番組「アプリ学院!」も、8月放送分から代役が立てられる。

 一方、木本が周囲に投資話を持ちかける際「仮想通貨などへの投資」と説明していたことも判明した。事情を知る関係者は「少なくとも7、8年前から、仲のいいタレントやスタッフに声をかけていた。これまで集めた金額は5億円以上に上るが、その金を預けていた人物と急に連絡が取れなくなった。木本さんの手元に金は残っていないようだ」と語る。この人物と現在は連絡が取れており、代理人を立てて交渉する意向のようだが、金が戻ってくるかは不明。「現時点で出資者から被害届などは出ていない。ただ金額が大きいだけに今後、警察沙汰になる可能性はある」(関係者)という。

 所属事務所は「事実関係を確認中のため、弊社からのコメントは控える」としている。一方、関係者は「番組の打ち切りや降板という事態になり、仕事仲間や関係者に多大な迷惑をかけている。何らかのけじめをつけなければいけないことは本人も自覚している」と話している。

2022年7月22日 05:32  https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/07/22/kiji/20220722s00041000040000c.html

TKO木本 松竹芸能退社へ 出演番組降板続々 仮想通貨投資持ちかけ5億円以上集めトラブルに

巨額投資トラブルが明らかになった、お笑いコンビ「TKO」の木本武宏(51)が所属事務所「松竹芸能」を退社する方向であることが21日、分かった。

 今回の投資トラブルで木本が罪に問われる可能性はあるのか。弁護士の亀井正貴氏は(1)投資が架空のものではなかったか、実際に投資されたか(2)木本がどこまで知っていたのか――の2点をポイントに挙げた。

 投資話が架空のものなら「だまして金を集めたということで“詐欺罪”となる」。投資の話は実際にあったものの「集めた金を投資に回さず、懐に入れていると“横領罪”になる」とした。投資したが損をして戻せないのであれば罪にはならない。一方で木本が、金を預けた人物にだまされていた場合、金の流れにも全く関与していなければ罪には問われない。ただ「詐欺行為の投資を勧誘したことは、民事的には損害賠償の対象となる」という。被害者が木本に対して損害賠償請求を起こすと賠償責任が生じる可能性がある。

2022年7月22日 05:30
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/07/22/kiji/20220722s00041000045000c.html

下記に、
 投資詐欺によくみられるパターンとの比較
と、
 今回の事件の特徴
についてみていきます。

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投資詐欺のパターン

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今回のケースに限らず、投資詐欺には、一定のパターンがあります。
つまり、勧誘の際に、

 ・時流に応じたテーマの投資話しを持ちかける
 ・不安を煽る
 ・実績を強調する
 ・夢を語る

といったポイントをついてくるという訳です。

時流に応じたテーマの投資話しを持ちかける

今回の事件では、投資の対象は、
 仮想通貨(GST)
と言われています。

この仮想通貨(GST)は、NFTゲームアプリ「STEPN」で稼ぐことができるということです。
「STEPN」については、やりすぎ都市伝説でも、本人が紹介しています。
内容的には、ゲーム内でシューズのアイテムを購入して、あとは、歩くだけで稼ぐことができるという、なんとも、胡散臭い内容です。

下記のツイッター、その時の動画がアップされています。

ここでのポイントは、今回の投資話が、
 仮想通貨や、NFT(ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位)
という時流にあったテーマを謳ったものということです。

実際のしくみは、関係ありません。
なんとなく、時流にそったものであることがアピールできていれば言い訳です。
そもそも、歩くだけで稼げるという事自体、仕組み的に、無理があります。
そこが、いわゆる、「ポンジ・スキーム」と疑われている所以でもあります。

「ポンジ・スキーム」

詐欺のなかでも特に、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。投資詐欺の一種に分類され、日本語で「自転車操業」と呼ぶような状態に陥り、最終的には破綻する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%A0

【参考】仮想通貨(GST)の暴落

仮想通貨(GST)は、2022年4月29日まで、じわじわ上昇して、その後、急落しています。

【参考】NFTゲームアプリ「STEPN」は、実際に稼げるのか?

「STEPN」を実際に行ったレポート記事です。

不安を煽る

投資話しを持ちかける際には、
 将来に対する不安
を煽るということが行われます。

誰しも、将来に対する不安を持っているからです。

しかしながら、その後に提案される投資話しが、最適な答えという訳ではありません。

つまり、よく言われるように、
 ウソのような儲け話は、ウソである
ということです。

つまり、詐欺的な投資話しにのっかると、
 将来に対する不安が更に増大する
という真逆の結果になってしまうことになります。

ですので、不安を煽るような話しをする人がいれば、
 その時点で要注意
と言えます。

実績を強調する

詐欺的な投資話では、信頼を得る為に、
 実績を強調する
ということが行われます。

こういった詐欺では、当初は、資金を集める為に、
 利益がでているように見せかける
ということが行われます。

また、そのことにより、同じ人から、更に金額を集めることが期待できる訳です。

いずれにしても、最終的に破綻するので、どれだけ実績を強調されても、あまり意味はありません。
そもそも、それだけの実績があるのなら、本人が再投資すれば良いのであって、勧誘する必要もない訳です。

勧誘するという行為自体に疑問を持つ必要があります。

夢を語る

例えば、若い人を相手した場合には、
 夢を語る
ということと、
 投資する
ということを結びつけて、勧誘してくるというケースがあります。

つまり、
 夢の為のアクションを起こす
ということと、
 怪しい投資話と結びつけて勧誘
してくる訳です。

将来の夢と、怪しい投資話とは、まったく関連性はありません。

今回の、TKO木本氏の投資詐欺について

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今回の事件においては、
 仮想通貨
といった、時流にあったテーマの投資話しを、
 芸人さんという将来に対する不安のある人
に対して勧誘しているという点で、投資詐欺のパターンと言えます。

ただ、残念なのは、
 同じ芸人仲間
で行われたということで、木本氏が、
 著しく信頼を欠く行為
をしてしまったという点です。

なぜ、こういった勧誘をしてしまったか、その原因は、
 投資に関する見識が低い
という点につきると言えます。

つまり、
 投資は、リスクを伴うものである
という、初歩的なことが認識できていれば、
 容易には、勧誘できないはず
である。

もっとも、最初から、だますつもりなら明らかに詐欺ですが、木本氏の場合、
 見識が低い為、本当に儲かると信じていた可能性
もあります。

今回のケースでは、
 集めた資金を実際に運用していた別の人物
がいる為、その人物に、いいように動かされていたということでしょう。

いずれにしても、投資の業界は、いわゆる投資のプロと呼ばれる人でも、大損をすることは珍しくない世界なので、
 安易に投資話に乗る
ということは、絶対に避けなければなりません。

また、最初から騙すつもりで、投資詐欺のスキームを考えている人も存在します
 
詐欺自体は、今に始まったことではありません。

まさに、
「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」
(川浜の砂がたとえ尽きることがあろうとも、この世の中に盗人がいなくなることはない)
です。

盗人の種が尽きることはありません。
実際、年に1回以上は、大規模な投資詐欺のニュースを聞きます。
投資話は、自己責任で、自己防衛をする必要があると言えます。

少なくとも、下記を確認しましょう。

・運用する先が、登録業者かどうかを確認する
 (金融庁のホームページで確認できます)
・勧誘する人が、外務員の資格をもっているか
 (日本証券業協会の資格ですが、金融商品を扱う会社の担当者は、ほとんどがこの資格を取得しています)
・契約前に、契約内容を説明する書面の交付があるか
 (書面交付義務)

(参考)金融商品取引業者等の行為規制(金融庁)

以上、「投資詐欺」の典型的なパターンについてでした。

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